マジック・ルーム 3

*フレユリinハリポタ
*クィディッチの話 前半
*実際にクィディッチをやってるわけではないです。
*クィディッチについては、次でちゃんと補足説明を入れます。




グリフィンドール寮での生活は、思っていたより落ち着いていた。
魔法が使えると言うから、もっと朝起きたら突然部屋中に火花が散っていたり、それこそ変な悪戯とかがたくさんあるだろうと思っていたが。

ユーリの、そんな偏見に満ち溢れた想像を知る由もないフレンは、ユーリが転入してくる以前と同じように毎日を過ごしていた。
ジェームズたちに言わせれば、「つまらないほど真面目」な日常。
先生たちに言わせれば、「生徒の模範的優等生」な日常。
ユーリが来るまでは、基本的スタンスとして「分け隔てなく誰でも仲良くなれる人」だったフレン。
だが、周囲のフレンに対する印象は確実に変わっていた。
――「ユーリに対しては驚くほど過保護」、というものに。
そして、そんなフレンをからかいの対象として見逃すはずもないのは、ジェームズとシリウスだった。




「ユーリ!こっちこっち!」

午前の授業が終わり、生徒たちが昼食を取りに食堂を訪れる時刻。
例に違わずユーリとフレンも一緒に姿を見せた。
既に席を取っていたジェームズが大声で呼ぶと、ユーリは視線をジェームズに当て、フレンを促した。

「よぉ、ジェームズ。悪いな、席とってもらってて」
「僕と君の仲じゃないか!ほら、フレンはそっち」

当たり前のようにユーリを隣に座らせたジェームズは、フレンを埃を払うかのように手を降り、反対側に座らせる。ここ最近繰り返されているので、フレンは苦笑を浮かべて「酷いなぁ」と言いながらジェームズの言う通りにした。

「僕だってユーリと話したいんだから!そうだユーリ、この前の飛行テストのことなんだけど…」

早速ジェームズのマシンガントークに巻き込まれているユーリは、しかし困った様子もなく軽い相槌を打ちながら耳を傾けているようだった。
少し経つと、シリウスとリーマス、そしてピーターが姿を見せる。

「おー、今日はチキンか」

シリウスは自然とユーリの隣に腰掛け、リーマスとピーターはフレンの隣。
ユーリが来るまで、ジェームズの隣はシリウスが占めていた。というより、シリウスがジェームズの隣を譲らなかったのだ。しかし、どうやらシリウスもユーリに興味があるらしく、マグル出身のユーリにバイクのことやら自転車のことやらを聞いて盛り上がっていることもしばしば。

それを眺めつつ会話に参加するのはリーマスで、ジェームズの隣を譲ったシリウスにも驚きだが、自然に馴染んでいるユーリにも驚いていた。正直、自分はあの二人の間には入れない。

「フレン、今日の授業はどうだった?」
「闇の防衛術が興味深かったな。先生が言うには…」

フレンに話を振れば、そこは優等生の二人。授業の内容から監督生の仕事の話まで、真面目オンパレードである。



「そういやさ、ユーリ。お前、髪が邪魔じゃないのか?」

ふとシリウスがユーリの髪に手をやる。
触れることはしないが、長さを測るかのように手を動かして、「縛ればいいのに」と不思議そうに言う。

「邪魔では無いな。別に短くても悪かぁないけど。特に伸ばしてる意味はねーし」
「残念だなぁ!ユーリなら、クィディッチの選手とかなれると思うのに」

ジェームズが大げさに溜息をつく。
ああ確かに、とシリウスも同意するので、

「なんだ?そのクィディッチって?」
「そうか、知らないんだね」
「じゃ、それは是非見せてやらなきゃな」

にんまりと笑いつつもどこか嬉しそうな二人に、ユーリは「何かやばいこと聞いたかなぁ」と思いつつも、そのクィディッチなるものに興味をひかれたのも事実なので、とりあえずそのままにしておく。

「よし行こう!明日練習があるんだぜ」
「僕の華麗な飛行を見て、ぜひユーリもクィディッチの魅力を知ればいいと思うよ!」

若干ナルシストが混入しているジェームズだったが、どうやらユーリを引き入れる気満々らしい。
さてどうなることやら、と思いつつも、リーマスはそっとフレンに視線をやった。

すると、フレンは寂しそうに目を細めていて。
初めて見る彼の表情に、リーマスは少なからず驚いた。
ああ、最近は驚くことがたくさんある。



こうして、ユーリのクィディッチ初観戦は明日となった。