マジック・ルーム 1

*フレンとユーリ in ハリポタ(親世代)
*ユーリだけ転校生。フレユリ幼馴染。普通に生徒です。
*ハリポタ知らない人には、よく分からないかもしれません。
*シリウスとかジェームズとか普通に出てきます。
*転校生ユーリの初日です。




「フレン!こっちこっち!」

ざわざわと生徒の話声に埋め尽くされた大広間、グリフィンドール寮の席。
夏休暇明けにも関わらず、変わらず無駄に元気な声で、ジェームズ・ポッターはフレンを呼んだ。
よく通る声は、瞬時にフレンのもとに届いたらしく、彼の視線がジェームズを捉えた。

「ああ、良かった。なかなか来ないからどうしたのかと思ったよ」
「ごめんジェームズ、席取っておいてくれた?」
「僕じゃなくてシリウスだよ。何しろ前の時間がさぼりだったからね」

にやりと悪戯っぽく笑うと、フレンの正面、ジェームズの隣に座るシリウスはため息をついた。
フレンの前でさぼりだの何だのと言えば、間違いなく面倒くさい説教をくらう。

「占い学なんて興味ねーよ」
「それでサボり?ちゃんと出なきゃ駄目だよ」
「あーはいはい。ったく、お前、何でジェームズのサボりには対して文句言わねー癖に、俺だけそんなに細かいんだよ」

シリウスの指摘に、そう言えば、とジェームズもフレンに問いかけるような眼を向ける。
フレンは、首をかしげながら、

「そうかな?」
「そうだよ」
「うーん…多分、シリウスが僕の幼馴染にすごく似てるからだと思う」

突然フレンの口から出た「知り合い」に、シリウスは疑問を、ジェームズは興味を示す。

「誰?」
「シリウスに似てるって、相当容姿端麗なんだね」

そこかよ、とシリウスは突っ込む。
フレンは、笑いながら、それ以上は何も言わなかった。




ぱんぱんっ、と静寂を促す手を叩く音が響く。
話し声は尾をひきながら、徐々に静かになっていった。
それを待つと、壇上の中心に立つ校長が生徒たちをぐるりと見渡した。
「久方ぶりの再会に、話したいことも山のようじゃろうが、少しばかり時間をもらおう」
おいで、と手招きされた先から、一人の青年が壇上に現れる。
途端、主に女性から、色の違う声が漏れた。
180はあるだろう長身、腰まで伸びた髪を適当にひとくくりにし、流れるような色は黒。
瞳は夜空を写したような美しさで、女性に見紛うばかりの中世的な顔。
へぇー、と珍しくシリウスが声を上げる。
ジェームズは(嫌味にも)美形を見慣れているせいか、特に感動はないようだ。
一方フレンは、

「………」

信じられないとばかりに目を見開き、食い入る様に青年を見つめていた。
むしろその反応の方が気になるらしく、ジェームズはそちらにちらりと視線を送る。

「今日から皆と共に勉強することになる、ユーリ・ローウェル君じゃ」

「静かに!」とミス・マグゴガナルの大音声にも増して、ざわめきが大きくなる。
当の本人であるユーリは、さりげなく視線を左右に動かしていた。
物珍しさというよりも、誰かを探している風だ。

「最近の男子は美形が多いね。勿論一番かっこいいのは僕だけど」
「うるさいわよ、ポッター!」

わざわざその場にいる人に聞こえるようにジェームズがおちゃらけると、すぐさまリリーの叱咤が飛んだ。
それに肩をすくめると、未だユーリを見つめるフレンに声をかける。

「どうしたんだフレン、そんなにユーリって子が気になる?」
「あ…え、あ、うん。そうだね。何ていうか…」

余程動揺しているのか、フレンは意味のない言葉を繰り返すと、目をぱちくりとさせて。

「さっき、言ってた、幼馴染っていうのがさ」


「グリッフィンドール!!」


組み分け帽子が高らかに叫ぶ。
グリフィンドールの席からは歓声が。他寮からは溜息やら悔やむ声やらがあがる。
帽子を取ったユーリは一度校長を見ると、颯爽とグリフィンドール席に移動した。

それを遠目で見つつ。
周りの盛り上がりに付いていっていない三人は、連絡事項に入るミス・マグゴガナルの声を尻目に、フレンに言葉の続きを促した。

「何何?幼馴染がどうしたって?」
「だからね、幼馴染っていうのが…」

ちらりと特徴的な黒髪を視界に入れつつ、フレンは信じられないと首を振った。

「あの、ユーリなんだよ」


「えええええ!?」

「ポッター!!静かにしなさいっ!!」