青空の唄 1
*フレユリ現代設定
*甘いけど恋人同士ではない二人
*寒いので二人でこたつに入ってます
ぬくぬく。
じんわりと暖かくなる身体を更に潜り込ませる。
突然寒くなったので、新調したばかりのこたつを早速使ってみようと設置してみたのだが、やはり暖かい。幸せ。
ぬくぬく。
徐々に温まってきたので、なんだか力が抜けて横になりたくなる。
ごろりと上半身を後ろに倒せば、もうこのまま寝てしまえると目を閉じた。
ピンポーン
ベルっぽい音が聞こえるが、きっと空耳だ。
というか、こんなに寛いでるのにわざわざこたつから出るなんてもったいない。
折角温まった身体が冷えてしまうではないか。
ピンポーン
ああまた鳴った。これはもう居留守を使ってしまおう。
だって…眠い。
「ユーリ、居るんだろ?」
「居ないから入ってくんな」
「居るじゃないか。まったく…入るよ」
おじゃまします、と勝手に扉を開けて入ってきたのは、相変わらず金髪が眩しい幼馴染。
ユーリの部屋の合鍵を持っている唯一の人物なので、鍵をかけていても実は勝手に入れるのだが、流石に留守の時に入る事は無いようだ。
その幼馴染――フレンは、こたつに潜って出てこないユーリに呆れながら、手に持っていたスーパーの袋を台所に置いた。
別に同棲しているわけではないが、今日はユーリがご馳走してくれると言うので材料を買ってきたのだ。
中身は…野菜、鶏肉、鮭に帆立。
「ユーリ、もう夕飯作る?」
「あー…もぉそんな時間…」
眠そうな声しか返せない。駄目だ、瞼が落ちる。
ユーリは結局そのまま眠気に身を委ねようと決めると、なんとなくこたつの中が寒く感じてゆるりと目を開ける。
すると、フレンがこたつの中に入っている所だった。
どうやら、ユーリの返答を待たずに必要なものだけ冷蔵庫に入れてしまったらしい。
「寒い。入ってくるな」
「僕だって寒いんだから、入れてよ」
「やだ。私が寒い」
「…そんな事言ってると…」
言い合いながら身体を丸めてしまったユーリの耳を、フレンの左手が掴む。
と、不意打ちに触れた氷のような冷たさに驚いて、思わず短い悲鳴を上げた。
「ひゃっ…フ、フレン!」
「あーユーリあったかい」
「意地悪!冷たい!」
耳に触れていたフレンの手を叩いて、ユーリはフレンから更に身体を離す。
恨みを込めた目つきでフレンを睨むが、フレンには可愛い反応にしか感じられないため、あまり意味は無い。
そのまま二人で、何も言わずにこたつに入る。
互いの足が当たらないようにフレンが左によると、ユーリはがさりとこたつから出る。
「ユーリ?」
どうしたのと見上げると、ユーリはそのままずるずるとフレンの右側に潜り込んだ。
「…ユーリ、寒いんじゃないの?」
「あったまったら、お前の方が暖かい」
その方がよく寝れる、と珍しく甘え気味の態度に、フレンは驚いてから顔を綻ばせる。
「夕飯、鍋でもいいか?」
「ユーリの作るものは何でもおいしいから良いよ」
「じゃ、30分だけ寝る」
「おやすみ」
「ん……」
よほど眠いのか、すでに瞼は落ちて寝息を立てている。
ユーリの寝顔を見ながら、昔から変わらないなぁ、なんて思いつつ、フレンはこたつの上に置いてある文庫本を手にとった。
とりあえず、ユーリが起きるまでこれで時間をつぶそう。
「…星空観賞?」
「うん。エステルたちに誘われて」
「良いけど…大丈夫?」
きっかり30分で起きたユーリが手早く作った鍋を二人で囲みながら、ユーリの提案にフレンは眉を寄せた。
星空観賞。つまり、寒い中、外で星を見ると言う事。
ロマンチックではあるが、フレンにとっては心配な気持ちの方が強い。
というのも、ユーリはあまり身体が丈夫ではない。
病弱と言うと本人が嫌がるのだが、どちらかと言うとそれに近いものがあるため、フレンとしてはやめてほしいと言いたい。
が、実際決めるのはユーリだし、自分にそれを制約する権利も無いとも思っているため、
「大丈夫だよ」
「うーん…僕もついて行っちゃダメかな?」
「へ?誘うつもりで言ったんだけど」
と、一緒に行く事を提案してみたが、どうやらお誘いの言葉だったようだ。
フレンは「なんだ。じゃあ行くよ」と快諾する。
「星空観賞かぁ…久しぶりだね」
「久しぶりって言うか、子供の頃以来」
「楽しみだな」
(これでも二人は付き合ってないらしい)
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