影が光を裏切る時
*捏造も甚だしい突発話。時間軸すらわからない。
*ユーリが敵になりました
*傾向としては、オールキャラ→ユーリ
*ここまで読んでアウトの方は、プラウザバック!
一閃、
残像が空に線を描いて、黒い髪が舞うように流れた。
それを追って再び剣が鋭い突きを浴びせると、ユーリは口の端を釣り上げて難なく身を捩る。
左手に握られた剣がフレンの左脇腹を狙うが、右足に重心をかけて一歩踏み込んだ剣は的確にユーリの首筋を狙っていて、そのままフレンに突っ込んではこちらも斬られると瞬時に悟り、かすり傷一つ負わせることなく剣を振り切る。
一瞬の間が、二人の間に訪れた。
誰も声を発することができない中で、フレンが剣を構え直す。
そのゆっくりとした動作を見て、ユーリは嘲笑うかのように剣を肩に置いた。
普段となんら変わらない、、戦闘スタイル。
それなのに、その目が違う。
純粋に戦いを楽しんでいて…とても、暗い、闇を孕んだような眼差し。
遠くからでも認識できるその冷たさに、エステルは身を震わせた。
「手加減なんて必要ないぜ?ほら、もっと本気でやれよ」
「ユーリ…」
「どうしてなんです!?なぜユーリが…!」
共に旅をして、ユーリの事はそれなりに知っている筈だった。
仲間想いで、優しくてぶっきらぼうで、強くて…エステルが思い描くユーリは、自分たちに剣を向けるような人ではなかった。
それなのにユーリは今、その好戦的な笑みを自分たちに向け、本気で殺しに来いと言う。
「なんで、ユーリ…ユーリがそんなこと言うはずない!!」
「わりーけど、これが、俺だ。俺は俺以外の誰でもないし、俺の意志で『此処』にいる」
カロルの叫びにも、ユーリは淡々と返す。
その言葉に、信じられないという顔をするのは、レイヴンもジュディスも同じだった。
リタはユーリを睨みつけ、その意思を推し量るかのように頭を回転させていた。
「防御だけじゃ、俺は殺れないぜ?」
切っ先が、フレンを捉える。
「俺が強いの…知ってるよな!」
言うが早いか駈け出したユーリの姿は、一瞬にしてフレンの懐に現れる。
速い、とフレンが一歩下がり、来るであろう剣筋に対して防御の姿勢をとる。
それを見越したのか、ユーリはフレンに切りつけることなく、そのまま身を屈めて背後のエステルやリタに迫っていった。
二人が防御に動くよりも早く、ユーリの剣が振り下ろされようとする。
が、視界の端に映った光が左頬を掠める前に、右に避けて、レイヴンが弓を構える姿に笑った。
そう、それでいいと言うかのように。
「レイヴンっ!」
「なんにしろ、ユーリを止めなきゃ話になんないんじゃない、カロル」
非難の声を浴びせるカロルに、苦い表情で答える。
流石のカロルも、今のユーリの行動を弁護することはできないが、それと同じくらいユーリを攻撃するなんてできなかった。
刃を向ける必要なんてない、話せばわかると、まだ信じている。
「でもっ…!」
「カロルせんせ、油断してると殺っちゃうかもよ?」
耳元で声が聞こえたかと思い驚いて飛び上がると、ユーリはいつの間にかカロルの背後に居て、突き刺すかのように剣を構えている。
それに声も出ず逃げることもできず、刃が自分の顔面を捉える様をじっと待っているかのように身体も意識も硬直してしまい、「逃げて!」と叫ぶ誰かの声もとても遠い。
きんっ、と金属音が響き、青が視界に広がる。
それがフレンの背だと気付いた時には、フレンはもうユーリに肉迫していた。
カロルをユーリの凶刃から救ったフレンは、力強い太刀筋で、ユーリを押す。
そのまま押されるように後退したユーリは、ぎりぎりと交差する剣の合間から、フレンに笑いかけた。
「やっと本気になったか、フレン」
その言葉に何を思ったのか、フレンはじっとユーリを見つめて。
「…何を考えているんだ、ユーリ」
絞り出したかのような声は予想以上に苦みと困惑を含んでいて。
「お前等を、殺すこと」
「信じない。断言できる、君は絶対にそんなことを言わない」
「おいおい、本人前にして酷い言いようだな」
「酷いのは君の方だよ、ユーリ――一体、何を考えているんだ」
再度問われ、その解答をすることもなく、ユーリは黙り込む。
――その時、遠くからがちゃがちゃと響く鎧の音が、微かに流れてきた。
やっと来た、とユーリは内心安堵して。
交えた刃を弾くと、大きく踏み込んでフレンに向かって振り下ろす。
頑丈な鎧を、耳障りな音を立てて傷つけたユーリのまなざしは、本気で。
殺さない、致命傷ではない程度の攻撃をすれば、とりあえず動きが止まる。
そう判断して、フレンはユーリの隙を付くように、剣を閃かせた。
赤い飛沫が、剣を、空を、舞う。
ほんの掠める程度のはずった刃は、ユーリの脇腹を見事なまでに切り裂いていた。
「ユーリ…っ!?」
避けられた。避けていたはずの、軽い攻撃。
それを、わざわざ重症にするかのようにユーリの身体は動いていて。
おかしいと、フレンの心が警告する。
これではまるで――
「ユーリ!!」
「……」
フレンの肩に凭れかかるように倒れ、ユーリは血に染まった手をぼんやりと眺めた。
治癒術が使えない今では、こんな傷でも致命傷になりえる。
まあ、こんなもんかな、とユーリは息を吐いた。
戸惑いと後悔に揺れるフレンにそっと微笑んで、ユーリは目を閉じた。
(俺が死ぬことで、お前の役に立つのなら)
*****
で、結局何が書きたかったの?とか聞かないで!ごめんなさい!
ユーリが悪役に徹するならこうなるだろうな、という妄想です。すみません意味不明ですね…!
突然始まって突然終わる。
ぽんと浮かんだ話を、そのまま文章にした感じなので、ちょっととぎれとぎれかもしれない。
読みにくかったら…悪態つきながら読んでやってください。
こういう妄想が好きなので、突然浮かんだらまた書くかも。
ED後ってのがかろうじでわかるくらいの時間軸。ユーリ脳内自己完結してるし。
残された仲間はどーすんだよって感じですが(そもそもなんでユーリが刃向けたのかの理由すら詳しくは考えてない)、そこらへんもスルー推奨です。皆様の素晴らしい脳内補完で補ってやってください。